アニチコフ橋は、ネフスキー大通りがフォンタンカ川を渡る場所に架かる橋で、ピョートル・クロート作の4体のブロンズ像「馬の調教師」群像が設置されていることから、サンクトペテルブルクで最も撮影される橋の一つとなっています。入場無料で24時間開放されており、市内中心部に位置しています。

アニチコフ橋が有名な理由

この橋が有名なのは、その構造よりも彫刻によるところが大きいでしょう。4つの角には、彫刻家ピョートル・クロートによって1841年から1850年にかけて制作されたブロンズ像「馬の調教師」(または「馬の調教」)群像が設置されています。これらの彫刻によって、街のメインストリートにある普通の川越えの橋が、昼夜を問わず訪れる人々が足を止める野外美術作品へと変貌しています。

その魅力をさらに引き立てているのが、周囲の環境です。橋はネフスキー大通りがフォンタンカ川を横切る場所に架かり、片側にはピンク色のベロセルスキー=ベロゼルスキー宮殿、反対側にはアニチコフ宮殿の庭園が広がり、彫刻は大通りの美しい建築に囲まれています。

アニチコフ橋の歴史

この場所には街の歴史初期から橋が架けられていました。最初の橋は1715年から1716年にかけて建設された木造橋で、1780年代にはフォンタンカ川の護岸工事に伴い、塔を持つ石造りの橋が建設されました。現在見られる橋は、ネフスキー大通りの交通量増加に対応するため1841年から1842年にかけて拡幅工事が行われた際のもので、この時にクロートの彫刻用の台座も設置されました。その後、1906年から1908年にかけて再建され、現代に至るまで修復が続けられています。

How old is the Anichkov Bridge?

「馬の調教師」像が表現するもの

4つの群像は、野生の馬を人間が徐々に調教していく過程を一つの物語として表現しています。橋を一周することで、馬の最初の抵抗から最終的な服従までの流れを追うことができ、これはしばしば「人間の理性と意志が自然の力を制御する」というテーマとして解釈されています。それぞれの群像は異なる表現がなされているため、4つの角をすべて回ってその変化を楽しむ価値があります。

What do the Horse Tamers statues represent?
彫刻群表現内容
第1群像地面に立つ若者が後ろ足で立ち上がる馬を抑え込む様子 — 闘いの始まり
第2群像馬が暴れて調教師を振り落とす様子 — 馬の最も荒々しい姿
第3群像調教師が立ち上がり、再び馬を制御し始める様子 — 均衡が戻り始める
第4群像馬が完全に従い、立った調教師に導かれる様子 — 理性の勝利

上記の解釈は、群像の「調教の段階」という伝統的な読み方を反映したものです。彫刻自体には銘文が刻まれていないため、ガイドによって説明が若干異なる場合があります。

ピョートル・クロートとは誰か?

ピョートル・クロート(1805–1867)は、帝政ロシアを代表する動物彫刻家で、特に馬の彫刻で知られています。アニチコフ橋の群像以外にも、ナルヴァ凱旋門の馬像、夏の庭園にある寓話作家イワン・クルイロフの記念碑、聖イサアク広場のニコライ1世騎馬像などを手がけました。彼は自身の鋳造工房を運営しており、これにより「馬の調教師」像やその複製を自ら鋳造することができました。

Who was Pyotr Klodt?

「馬の調教師」像の複製は他にもあるのか?

はい。クロートは群像の複製を鋳造し、外交的な贈り物として提供したり、他の場所で再利用したりしました。複製はプロイセン王に贈られベルリンに設置され、両シチリア王国の王にはナポリに設置されました。また、サンクトペテルブルク近郊のピョートルゴフやストレルナの帝室領地にも設置されています。そのため、旅行者が「以前どこかで見たことがある」と感じることがあるのも、実際に複数の国で関連する鋳造作品が展示されているからです。

アニチコフ橋の名前の由来

「アニチコフ」という名前は、女性名の「アーニャ」を連想させますが、この橋は18世紀の軍事技術者ミハイル・アニチコフにちなんで名付けられました。彼の部隊が1715年から1716年にかけて、ピョートル大帝の治世に最初の木造橋を建設したのです。現在見られる石造りの橋とブロンズ像は後の再建によるものですが、最初の技術者の家名が300年にわたって受け継がれています。

Who was the Anichkov Bridge named after?

戦時中のアニチコフ橋

第二次世界大戦中のレニングラード包囲戦時には、クロートの群像は砲撃から守るために近くのアニチコフ宮殿の庭園に取り外されて埋められ、戦後に元の台座に戻されました。花崗岩の台座をよく観察すると、今でも砲弾の破片による損傷が残っており、その跡は小さな記念プレートによって意図的に保存されています。

The Anichkov Bridge in wartime

アニチコフ橋への行き方

この橋はネフスキー大通りそのものに位置しているため、非常にアクセスしやすい観光スポットです。最寄りの地下鉄駅は「ゴスチーヌイ・ドヴォル」駅と「マヤコフスカヤ」駅で、どちらも大通り沿いを少し歩くだけで到着します。また、ネフスキー大通りの散策やフォンタンカ川のボートクルーズと組み合わせるのもおすすめです。路線や料金、利用のコツについては、サンクトペテルブルク地下鉄ガイドをご覧ください。

How do you get to the Anichkov Bridge?

近隣の見どころ

ここは街で最も壮大な散歩道のど真ん中です。橋のすぐそばにはベロセルスキー=ベロゼルスキー宮殿が建ち、ネフスキー大通りの両側にはショップやアーケードが並んでいます。また、金色の翼を持つグリフィン像で知られる繊細な銀行橋も徒歩圏内にあります。他にも訪れる価値のある橋については、サンクトペテルブルクの美しい橋ガイドをご覧ください。

よくある質問

「馬の調教師」像を見るのに料金はかかりますか?

いいえ。アニチコフ橋はネフスキー大通りにある公共の橋なので、入場料や開館時間はありません。4体の「馬の調教師」像は、昼夜を問わずいつでも自由に見学できます。夜間はライトアップされるため、大通りでの食事の前後に訪れると、特に幻想的な雰囲気を楽しめます。

アニチコフ橋を歩いて渡れますか?

もちろんです。この橋は車道と広い歩道が整備されており、橋を渡ったり4つの角を回ったりして、各彫刻群を間近で見ることができます。ネフスキー大通りの散歩ルートの一部としても組み込まれており、歩いて渡ることで、彫刻がフォンタンカ川をどのように彩っているかを実感できます。

馬の像の一つに隠れた顔があるというのは本当ですか?

地元では、馬の体の一部に人間の顔が彫り込まれているという伝説があり、それはライバルへの皮肉だと言われています。文献による証拠はなく、あくまで民間伝承と捉えるのが妥当ですが、ガイドが好んで紹介する話の一つであり、ブロンズ像をじっくり観察する楽しみの一つとなっています。

ネフスキー大通りを満喫するなら? 市内パスを利用すれば、大通り沿いの美術館や宮殿への優先入場が可能です。また、ガイド付きネフスキー大通り散策ツアーやフォンタンカ川ボートクルーズに参加すれば、橋と彫刻を解説付きでゆっくりと楽しめます。