サンクトペテルブルク地下鉄の概要
サンクトペテルブルクの地下鉄は、世界で最も深い地下鉄システムの一つとして知られており、駅の平均深度は地上から60~80メートルに達します。5つのカラーラインが市内の主要エリアを結び、毎日午前5時30分から深夜0時まで運行しています。私が昨年10月に訪れた際、この地下鉄は1日約230万人の乗客を運び、モスクワに次ぐロシアで2番目に利用者の多い地下鉄であることがわかりました。サンクトペテルブルク地下鉄公社によると、現在72の駅が稼働しており、紫色のフルンゼンスコ=プリモルスカヤ線では定期的に新駅が開業しています。
各路線は独自の特徴を持ち、異なるエリアをカバーしています。赤の1号線は南部のプロスペクト・ヴェテラノフから北部のデヴャトキノまでを結び、モスクワ駅近くのプローシャチ・ヴォススタニヤなど中心部の駅を経由します。青の2号線はクプチノからパルナスまで、緑の3号線はルィバツコエからベゴヴァヤまでを結んでいます。私がネフスキー・プロスペクト駅からエルミタージュ美術館まで歩いた際、地下通路を利用することで2月の寒さを避け、わずか8分で宮殿広場に到着できました。
地下鉄のチケットと支払い方法
2024年現在、1回券のトークンは70ルーブル(約0.70ユーロ)で、各駅の自動券売機や窓口で購入できます。券売機はロシア語と英語の案内表示があり、現金(ルーブル)とクレジットカードが利用可能です。回数券の方がお得で、10回券は455ルーブル、1か月定期券は2,800ルーブルです。私はモスコフスカヤ駅のタッチスクリーン式券売機で10回券を購入しましたが、2分もかからずに手続きが完了しました。
数日間滞在する旅行者には、ポドロージュニク(Podorozhnik)カードが最も便利な支払い方法です。このリチャージ式カードは初回60ルーブルで購入し、その後好きな金額をチャージできます。改札でカードをタップすると1回の乗車につき55ルーブルが引き落とされ、トークンより15ルーブルお得です。サンクトペテルブルク交通局によると、ポドロージュニクカードは地下鉄だけでなく、市内のバス、路面電車、トロリーバスでも利用可能です。同一乗車内での路線間乗り換えには追加料金はかかりません。
1号線(赤):中心部の主要駅
アフトヴォ駅は、世界で最も装飾豊かな地下鉄駅の一つとして知られ、46個のクリスタルシャンデリアと大理石の柱が宮殿のような雰囲気を醸し出しています。キロフスキー地区に位置するこの駅は、ペテルゴフへ向かうマルシュルートカ(乗り合いミニバス)の主要な乗り換え地点でもあります。駅前のアフトフスカヤ広場からは、夏季には15~20分間隔で200番と210番のバスがペテルゴフの噴水公園へ向けて出発しています。
プローシャチ・ヴォススタニヤ駅は、ネフスキー・プロスペクトとリゴフスキー・プロスペクトの交差点に位置し、モスクワ駅の真下にあります。この駅は赤の1号線と緑の3号線(マヤコフスカヤ駅)を結ぶ地下通路があり、乗り換えの拠点となっています。私がプルコヴォ空港からバスでモスコフスカヤ駅に到着した際、ここからエルミタージュ美術館近くのホテルまで移動しました。駅内には、革命をテーマにしたソビエト時代のモザイク画が1955年のオリジナルの状態で復元されています。
チェルヌイシェフスカヤ駅は、タヴリーダ庭園やスモーリヌイ大聖堂への最寄り駅で、チェルヌイシェフスコヴォ通りに出口があります。この駅からエルミタージュ美術館までは、ネヴァ川の堤防沿いに大理石宮殿やマルス広場を通り、約25分の徒歩です。出口付近のパン屋では、45~60ルーブルで焼きたてのピロシキが買え、美術館訪問前に朝食として購入しました。
2号線(青):空港と南部エリア
モスコフスカヤ駅は、プルコヴォ空港への主要な地下鉄アクセス駅です。駅の北口を出ると、39番バスの停留所があり、第1ターミナルと第2ターミナルへは午前5時30分から午前1時30分まで12~15分間隔で運行しています。所要時間は20~25分で、料金は70ルーブルです。バスでは現金とポドロージュニクカードが利用できますが、100ルーブル以上の紙幣ではお釣りが出ないので注意が必要です。
テクノロギチェスキー・インスティトゥート駅は、地下鉄システムで最も利用者の多い乗り換え駅で、青の2号線と赤の1号線を結んでいます。2つの駅舎は270メートル離れており、地下通路を歩いて約5分かかります。駅の出口はサンクトペテルブルクで最も長いモスコフスキー・プロスペクトに面しており、ソビエト時代の建築物が並んでいます。ザゴロドニー・プロスペクト出口付近には、夜11時まで営業しているスーパーがあり、エルミタージュ周辺の観光地より20~30%安く水やスナック、惣菜を購入できます。
3号線(緑):ネフスキー・プロスペクトの拠点駅
ネフスキー・プロスペクト駅は、市内のメインストリートであるネフスキー・プロスペクトの中心に位置し、カザン大聖堂やシンガー・ハウス、数多くのレストランが徒歩3ブロック圏内に集まっています。この駅は、2号線のゴスチーヌイ・ドヴォール駅とショッピングアーケードを通る通路で結ばれており、両替所や携帯電話ショップが並んでいます。私たちはゴスチーヌイ・ドヴォール出口近くのテレモクで伝統的なブリヌイを試し、2人前とドリンクで280ルーブルを支払いました。
アドミラルチェイスカヤ駅は、2011年に開業した地下鉄で最も深い駅で、地下86メートルに位置し、エスカレーターの乗車時間は約4分にも及びます。駅の出口はアドミラルティ庭園に直結しており、エルミタージュ美術館と聖イサアク大聖堂までわずか400メートルです。駅内には、ピョートル大帝の艦隊から現代の船舶まで、ロシアの海軍史を描いたブロンズのレリーフが展示されています。出口通路には、主要観光スポットへの徒歩ルートがメートル単位で表示され、所要時間も記載されています。
4号線(オレンジ):ドストエフスキー地区
スパスカヤ駅は、ロシア正教会の4つの大修道院(ラヴラ)の一つであるアレクサンドル・ネフスキー大修道院への最寄り駅です。駅はネフスキー・プロスペクトの東端に位置し、大通りが修道院の門前で広がっています。私が5月に訪れた際、駅の出口から修道院の入り口までは花屋やイコンショップを通り、6分ほどの徒歩でした。これらの店は毎日午前9時に開店します。
ドストエフスカヤ駅は、作家フョードル・ドストエフスキーをテーマにした壮大な壁画で知られています。ウラジーミルスカヤ広場近くに位置するこの駅からは、ウラジーミルスキー市場やクズネーチヌイ通り5/2にあるドストエフスキー博物館へアクセスできます。博物館は火曜日~日曜日の午前11時から午後6時まで開館しており、大人料金は250ルーブルです。ロシア文化省は、この駅を芸術的価値とロシア文学史との関連性から文化遺産に指定しています。
旅行者のための実践的なナビゲーション Tips
地下鉄の駅名は全てキリル文字で表示されていますが、新しい駅ではラテン文字の表記も併記されています。主要なキリル文字を覚えておくと便利です。例えば、В(V)、Р(R)、Н(N)、П(P)は駅名によく使われます。「выход」(ヴィホード)は「出口」、「переход」(ペレホード)は「乗り換え通路」を意味します。ホーム上のデジタル表示板には次の列車までの待ち時間が表示され、ピーク時には通常2~4分間隔で運行しています。
各駅では、駅名と次の駅がロシア語でアナウンスされます。男性の声は都心方面へ向かう列車、女性の声は郊外方面へ向かう列車を示します。私は目的地までの駅数を数え、車内の路線図で現在位置を確認するようにしていました。路線図は列車の進行に合わせて順次点灯し、現在地と残りの駅が表示されます。
地下鉄全線で「MT_FREE」という無料Wi-Fiが利用できますが、ロシアの携帯電話番号を使ったSMS認証が必要です。ロシアのSIMカードを持っていない旅行者は、地下に降りる前にオフラインの地下鉄マップをダウンロードしておくと良いでしょう。Yandex Metroアプリは最も正確なルート検索が可能で、乗り換え時間や目的地の出口までの道案内も提供しています。案内所のスタッフは英語があまり話せませんが、書かれた目的地や地図を見せれば、親切に道案内をしてくれます。




